地震についての常識・非常識

今後30年間に地震が発生する可能性は、東海地震で85%、東南海地震で60%、南海地震で50%といわれています。
今すぐ来るかもしれません。

 それから、伊豆半島のあたりですが、最近今まで押されて動いていた方向とは反対方向に動き始めたそうです。
もう既に、崩壊が始まっていると考えている先生も多いそうです。

 阪神大震災の教訓を忘れずに、家の中の家具は全て固定する、防災グッズを見直す、など日ごろから災害に備えておきましょう。家具の固定もご覧ください。

(提供:防災士 とっちゃん

1 でたらめな知識!津波は引き波から来る

 海溝型地震(南海大地震や東海大地震など)が起こると津波が発生する事は良く知られていますね。
でも、その知識に大きな誤りがあることはあまり知られていません。地震が起こり、そして、まず海水が引き始め海底が露出し、そして、大きな津波が来るって信じていませんか?それは大きな間違いなのです。  

 海溝型の地震で、太平洋側の日本の場合、いきなり押し波から来ます。海が引く前にいきなり"どかーん!"と津波が来るのです。

 実は、「津波は引き波から始まる」という考えの根拠となっているのは、昭和の初期に使われた教科書にあるのだそうです。
それに、多くのドラマや映画では、引き波から始まるのもそのためです。
勿論引き波から始まる事もありますが、太平洋側の日本ではありえません、必ず押し波から始まります。

 「私は前の南海地震を体験したが、その時は引き波から始まったぞ!私は見たんだこの目で!!」
と仰る方もいらっしゃいますが、それはウソとは言いませんが、間違えておられるのです。
前回の(1946年12月21日)南海地震は夜に発生しました。そして津波の第一波は午前4時ごろ襲来したのです。
勿論、地震の影響で停電していますので、海底が見えるはずが無いのです。
それに、よく考えて下さい、そんな暗い中で第一波を本当に見た人は海岸の間近にいるはずなので、津波にさらわれて亡くなっておられるはずです。
 引き波からだった!とおっしゃる方は第一波、或いは第二波の後の引き波を目撃したのです。

 ですから、津波の前兆の引き波を見に行こうなんて絶対にしてはいけません。震源に近いところならば、数分で大津波が来襲します。大阪にも50分ほどで到達します。

 2 津波の規模と到達時間

 南海地震での津波は7?8メートルだと言われていますが、入り組んだ湾では津波が集まり10数メートルになります。
又、津波が護岸に当たった瞬間盛り上がって10メートルを軽く越える高さに成ります。しかも、普通の高波と違い、波のスパン奥行きはキロメートル単位の数字なのです。高さ10メートル以上、奥行き数キロの海水のかたまりがイッキに海岸の町を襲うのです。なすすべはありません。

 そして、津波は何回も来襲します。津波と津波の間隔は50分程度と予想されます。
 ただ、紀伊半島と四国の間で波が反射しあうので、そのあたりの海岸は20分間隔で来襲すると予想されています。また、津波は第一波より第二波、第三波の方が大きい場合もあるのです。

3 地震の時の対処方

 地震が収まったらスグに避難してください。テレビの津波情報を待ている間に津波にのまれます。
 又、揺れている間は慌てて外に逃げないで、家の中で安全を確保してください。
 慌てて逃げると、階段から落ちたり、外でブロック塀に挟まれたりして大変危険です、揺れが収まってから避難して下さい。
 もし、避難が間に合わないと判断したら、鉄筋の3階以上の建物に避難して下さい、助かる可能性が非常に高いです。
今まで、粗悪な建築意外の鉄筋コンクリートの建物が津波で崩壊した事は無いのだそうです。

 津波は、数回来襲します。地震が発生してから、最低6時間は海に近づかないようにして下さい。それから、大阪や阪神間には50分から1時間で来襲するのですが、その高さは2メートル前後なのだそうです。
 護岸が2メートル以上あるやん!・・・そうですね、でも護岸にあたったら津波の高さはイッキに高くなり乗り越えます。
河をさかのぼって、堤防を破壊して横からも後ろからも波が来る事もあるのだそうです。

 それから、これはあまり知られていないのですが、現在の大阪は江戸時代に比べ、1メートルから2メートル土地が低くなっているんだそうです。近代化のために地下水を大量に吸い上げたからです。(特に高度成長期に・・・)
 又、南海地震が発生したら、大阪で1メートルぐらい地盤が沈降するのだそうです。地盤が沈降した所に2メートルの津波が来ます。先生の話だと、難波などの地下街は確実に水没するそうです。

 地震のあと、50分くらい余裕があります。その間に、高いところに避難して下ださい。

 それから、海溝型の地震の特徴は、長く大きく横に揺れる!だそうです。1分から3分は揺れるんだそうです。
この前の地震がそうでしたよね。

 長い大きな横揺れを感じたら、落ち着いて避難して下さい。地下街にいると溺れます。

 津波の規模と地震の震度は関係無いのです。明治の三陸地震がそうでした。
 夜7時半ごろ、震度2か3の横揺れがありました。地震が小さいので誰も逃げようとしませんでした。
 ところが、40メートルもの超巨大津波が三陸海岸を襲ったのです。この地震はヌルヌル地震、津波地震と呼ばれるもので、断層破壊の時、断層がゆっくり大きく動き、震度は小さいのに津波は大きいというものです。

 次に発生する東海地震、東南海地震、南海地震がヌルヌル地震かどうかはわかりません。
 小さくても、横揺れが1分以上続いた場合はすぐに避難して下さい。

 揺れている時に慌てて外に逃げようとしてはいけません。
 慌てて階段から落ちたり、外に出たばっかりに倒れたブロック塀に挟まれて命を落とす恐れがあります。
 家は、震度6強あたりから倒壊しはじめます。
 逃げられるような地震は、震度6弱以下です、倒壊する事はまずありません。(手抜き工事、シロアリ、老朽化した家などはその限りではありませんが・・・・)家の中で、安全を確保して下さい。震度6強以上になったら、どのみち体が動きません。
勿論倒れてくる家具を避ける事もできません。 ですから、家具は絶対留めつけて下さい。
そして、揺れが収まってから家の外に避難して下さい。
その際、必ずブレーカーを落としてください。(火災防止)

揺れている時ですが、「きゃあーーー!!」等と叫ばない!!
家族でしたら、お父さん!あなたが重要です。
「地震だ!皆机の下に隠れろ!机の脚をつかめ!太郎大丈夫か!花子大丈夫か!お母さん大丈夫か!!」
などと、大声を出しましょう!
人間は、こうなるとパニックを起こし難くなります。
お父さんが大声を出す前にお母さんが「きゃああああ!」と叫べば、家族みんながパニックを起こします。
そして、必ず名前を呼んで確認して下さい。そこで、返事をすれば、返事をした人もパニックを起こし難くなります。
頑張れお父さん!
勿論、お父さんが居なかったらお母さんがその役目!兄弟だけならお兄さんお姉さん!自分一人だったら、自分に安全確認!
兎に角、悲鳴ではなく、自分から声を出すことです。

4 普段から心がけておくべきこと

 地震災害に対する対策、何が一番大事でしょう・・・。

 災害時の為の備蓄?防災計画の策定?避難場所を確保する?仮設住宅をすぐに作ってもらう?ライフラインの早期復旧?倒壊家屋の再建援助?勿論大事ですね。これに行政側は莫大なお金と時間かけてていますが、災害により直接失われる命には対処できません。(失った命は戻ってこない)

 大災害でも対処できる消防を・・・、これって不可能なんです、維持できないですし、そんな予算はありません。今の消防では、一晩に数件の火災を消すので精一杯なのです。なのに、震災当日発生した火災は109件だったそうです。
全国の消防隊が神戸にいないと消せない規模です。

 検死の結果、阪神大震災で亡くなった方の9割以上(96%と言う話も聞いたことあります)が倒壊した家屋の下敷きとなって地震直後に死亡していたそうです。(殆ど即死)
地震後の火災で亡くなった方は極々一部なのだそうです。

 地震の被害を防ぐためには、まず家屋が倒壊しないよう対策を講じることです。

 1981年の新耐震基準で建てられた建物の殆どが倒壊しなかったって知っていますか?もしそれ以前に建てた建物に住んでいるのなら、シロアリにやられているなら、手抜き工事が不安なら・・・・、すぐに信頼できる業者に頼んで、耐震診断をして、耐震補強工事を行って下さい。
簡単に済む場合で50万円くらいです。大掛かりになっても300万くらいだそうです。悪徳業者には注意してください。

 家具の固定はほとんどお金がかかりません。ホームセンターで100円単位で金具が売っています。
これだけは、すぐに行って下さいね。ここに面白い方法が沢山載っています。

 何時動くかわからない活断層で、大阪には上町断層というモノがあります。記録に残っていないくらい前にしか動いていないのだそうです。阪神大震災を起こした断層は1000年に一回くらいのペースで動くそうです。
上町断層はわかりません、明日かもしれません。これが動くと、大阪はほとんどの地域で震度7、伊丹や尼崎も場所によっては震度6強から震度7になるのだそうです。阪神大震災よりはるかに多い人命が失われると予想されています。
命が無ければ、何もできませんし、失った命は戻りません。よーく考えて下さい。

ネットで耐震診断!!

下記のHPに簡易耐震診断や、補強方法などが載っています。
参考にして頂けたら幸いです。

名古屋市(防災情報クリック!→あなたの建物は地震にたいして安全ですかクリック!)
http://www.city.nagoya.jp/

静岡県(右上にある、おすすめコンテンツの我家の耐震診断クリック!)
http://www.taishinnavi.pref.shizuoka.jp

日本建築学会(わが家の耐震クリック!)
http://www.aij.or.jp/aijhomej.htm

木耐協ホームページ(無料で耐震診断)
http://www.mokutaikyo.com/200301/

わが家の耐震(日本建築学会)
http://www.aij.or.jp/jpn/seismj/index_se.htm

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